備えなければ老後なし!今のうち知っておく「資産運用」の初歩知識。(人生100年時代のお金問題)

終身雇用が終わりを告げ、少子高齢化が進む日本において、今後は自分で資産運用をするべき時代になりつつあります。しかし、定年前も定年後も、実際にはどのように資産運用を行えばいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。   この記事では資産運用に必要な2つの考え方をご紹介します。将来に向けてどのようにお金を準備するのかを考えていきましょう。
2019/03/12

将来のお金の備えには資産運用が必要

WHO(世界保健機構)が2018年に発表した男女の平均寿命(2016年時点)で、日本は84.2歳となり世界1の長寿国でした。世界一の長寿国ということは喜ばしいことですが、先進国の中で最も切実に「老後への備え」を必要としているのが日本です。その理由は2つあります。

老後への備えが必要な理由①

男性81.1歳、女性87.1歳の平均寿命ですが、もっと長生きする人はたくさんいます。

 

定年を65歳としても20~30年以上の生活費を用意する必要があります。

老後への備えが必要な理由②

国の公的年金があまり頼りにならない可能性が高いということです。

 

将来、年金額が引き下げられる可能性が高いことは、厚生労働省の「財政の現況及び見通し」で明らかになっています。

老後の備えは必須

2014年度の65歳のモデル夫婦の年金額は月額21万8,000円。そして現在の40代が受け取る年金見込み額は約17万5,000円です。今後、年金支給額は減ることはあっても、増える可能性は低いでしょう。

 

それでは、老後への備えはどのようにしたらいいのでしょう。年金で足りない分は自分でまかなう必要があります。

 

老後のお金を増やすために必要なことは「資産運用」です。現役世代はもちろんのこと、リタイア世代でも将来に向けて、お金と今後の人生にしっかり向きあうことが大切です。

 

資産運用の目的は、単にお金を増やすことだけでありません。資産運用によってお金の不安を解消できれば、人生で本当にやりたいことに取り組めるようになります。お金と向き合うということは、自分の人生と向き合うということでもあるのです。

資産運用とは

将来に向けて資産運用をしていくことになりますが、資産運用には「貯蓄」と「投資」の2つの方法があります。

 

貯蓄とはお金を蓄えることで、銀行の預金などです。現在の低金利の状況では利息がほとんどつかないものの、いつでも自由に引き出せるという利便性があります。生活費やすぐに必要となる可能性があるお金は「貯蓄」という形で持っておくようにしましょう。

一方、投資とはお金を増やすことが目的で、「株式」や「投資信託」などの購入のことです。

投資は長期・分散で行うことが基本

投資の基本は「長期・分散」です。それぞれの効果を見ていきましょう。

長期投資の効果

まず、投資は長期的な視点で行うことが大切です。一般的に長期とは「10年以上」を指します。現役世代はもちろんのこと、リタイア世代でも10年先を見越して投資を行うようにします。それでは、長期投資の効果を見ていきましょう。

複利効果

投資を長期で行うと「複利効果」が期待できます。複利効果とは、投資して得られた利益がさらに運用されて増えていくことです。

 

「投資期間」と「複利」の効果には関係があり、投資期間が長いほど、複利効果も大きくなります。

 

単利(投資成果を投資元本に組入れない)と複利(投資成果を投資元本に組み入れる)との比較をしてみましょう。

 

元本100万円で、年率5%で運用した場合の単利と複利の運用成績は次のようになります。

 

単利と福利

分散投資の効果

5年目の差額は2万6,282円ですが、10年目の差額は12万8,895円にもなります。期間が長くなるほど複利効果が高くなっているのがわかります。

分散投資は、投資対象を多様化させることで、資産運用に伴う価格変動リスクを低減させて高リターンを目指す方法です。

 

すべての資金をひとつの金融資産に集中させると、運用がうまく行かなかった場合のマイナスの影響が資産全体に及びます。しかし、株と債券など値動きの異なる複数の資産に分ければ、リスクを分散させながら、安定的な収益を期待できるのです。

 

投資におけるリスクは、危険ということではなく、「結果が不果実であること」です。具体的にはリターン(収益)の振れ幅のことをいいます。次の図をご覧ください。

株価のリスク

例えば、株式Aと株式Bの値動きを比較した場合、株式Bの方が値動きの振れが大きいので「株式Bの方が株式Aよりリスクが高い」と判断します。

 

そして、投資対象は国内だけなく海外の資産にも分散させることが大切です。以下の図をご覧ください。

長期投資による主な資産の価額推移(出典:GPIF)
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)へ

2000年末に100万円を投じた場合の資産価格の推移を示しています。国内債券(緑)では1.4倍、国内株式(赤)では1.6倍程度の上昇に対し、外国債券(青)、外国株式(ピンク)は2.4倍になっています。

 

国内だけでなく、海外資産に投資していれば運用成績が良かったことがわかります。

GPIFの基本ポートフォリオ

それでは、どのような比率で資産を組み入れればいいのでしょうか? 資産構成割合はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が参考になります。我々の年金資金を運用するため、「長期的な観点から安全かつ効率的」な視点で構成割合を決めているからです。

 

具体的なポートフォリオ(資産の組み合わせ)は以下のようになります。

基本ポートフォリオで定める資産構成割合(出典:GPIF)

国内株式+外国株式で50%、国内債券と外国債券で50%がGPIFの基本ポートフォリオです。2001年からの運用成績は年率+2.73%となっています。もう少し高い利回り(+5%前後)を目指すなら株式の比率を70%程度に上げる。リスクを抑えたいなら債券比率を70%に上げるのがオススメです。

まとめ:リスクを軽減させながら安定的な収益を期待

今回は、将来へのお金の備えとして資産運用の必要性と、そのため大切な「長期・分散」投資について解説してきました。

 

長期投資により「複利効果」が期待でき、国内だけでなく、海外の資産に分散投資することで、リスクを軽減させながら安定的な収益を期待することができます。

 

将来への備えに資産運用を行うということは、世界のスタンダードです。人生100年時代、これまでは国や企業が守ってくれましたが、今後は自分で資産を作っていく必要があるのです。