【終活いろいろ】お墓はもっと自由になれる。「手元供養」で叶う想い(人生100年時代協議会・AGE100PRESS)

手元供養、と聞いてピンと来る人はまだ少ないかもしれません。   けれど少しずつ、生活の中でお弔いができる新しいお墓の形を受け入れている人たちが増えているようです。
2019/10/06

供養を「手元」で。ぬくもりが伝わる新スタイルのお墓

転勤があっても、引っ越しても、お墓を一緒に連れて行くことができる

手元供養とは、小さな骨つぼやペンダントなどのアクセサリーに遺骨の一部を入れ、家に置いたり身に着けたりして身近な場所で供養を続ける方法です。

 

これならば、遠方のお墓にお参りができなくても、故人に気持ちを届けることができるのですね。

 

転勤や引越しを経験する人が少なくない現代のライフスタイルの中で、亡くなった家族や親族を遠く感じることなく供養ができる新しいスタイルの弔い方と言えるでしょう。

「ミニ骨壷」やアクセサリーで、供養をもっと身近に

自宅の中でも、仏間がなくても弔える。それが手元供養のメリット

「手元」という名前から分かるように、用いるのは両手ですっぽりと覆えるサイズのものが中心で、小さな骨つぼやペンダントなど、中に骨片や骨粉を入れられるようになっています。

 

実家のお墓が遠くてなかなかお参りに行けない場合や、お墓を持たない選択をした時に「何もしなくて良いのだろうか」と迷う人も多く、手元供養はひとつの答として受け入れられてもいるのでしょう。

 

リビングの棚などに置くことができるサイズ感で、仏間や仏壇のないご家庭でも「無理なくスペースを確保できる」と、心理的な負担も軽くなるようです。

 

屋外に設けられた墓と異なり、大切に思う人をそばに置いて、毎日の暮らしの中で自然と話しかけることができるのですね。

 

価格は数千円〜数万円とかなり幅がありますが、色や形、柄など多くの種類を見比べて気に入ったものを選べるため無理な買い物になることもありません。

すっぽりと手で包み込みたくなるようなミニ骨つぼ。陶器やガラス、金属のものなど様々な素材で作られている(画像提供:株式会社 未来創想)

用途は骨つぼですが、ガラスや陶器、竹など素材も様々で、可愛らしい印象のものや、シックなものなど、見つめていると心がやわらぐようなデザインや配慮がなされたものを多く見かけます。

 

最近では通信販売でもミニ骨壷やロケット型のアクセサリーなどが売られていて、とても手軽に購入できるようになりました。

 

法律では、分骨したお骨をどこかに納める場合に「分骨証明書」が必要とされています。

 

お墓に納骨した遺骨の一部を分けて手元供養する場合、分骨したお骨を自宅に置いておくことに対しては必要ありませんが、分骨をお墓に納める時には証明書が必要となります。

 

分けたお骨を将来どうするか決めかねている場合は、手元供養のために分骨する際に証明書を取っておく方が良いでしょう。

 

散骨するのであれば分骨証明書は不要です。

遺骨を入れてペンダントにできるものはデザインが豊富。刻印ができるものもある(画像提供:株式会社 未来創想)

遺骨をパウダー状に加工して作る「メモリアルプレート」

遺骨で作るプレートで、故人そのものを身近に感じる

遺骨や骨粉を入れる容器とはまた違う形となりますが、遺骨そのものをプレートにして供養ができるアイテムもあります。

 

メモリアルプレート、エターナルプレートなどと呼ばれる、遺骨を粉骨に加工する専門の業者で、パウダー状に加工した遺骨をプレートの形にしっかりと固めるものです。

 

プレートにする際に故人の好きな言葉や写真、故人に伝えたい思いなどを彫刻やレーザー彫刻で彫り込むことができ、これまでとは異なる遺骨の弔い方ができます。

 

遺骨そのもので作られたプレートは直接触れることができる、もっとも故人を身近に感じられる新しい供養のかたちと言えるでしょう。

 

価格は大きさや加工の内容により異なりますが、15万〜30万円ほどが一般的で、企業によってはプレートのサイズや色を数種類用意している場合もあり、故人のイメージを目に見える形で残すことができます。

パウダー状にした遺骨でプレートを作る。リビングなど家族のいる場所でも自然な存在感(画像提供:株式会社 エターナルジャパン)

プレートの作成には遺骨を骨粉化する作業が必要で、これは専門業者にしかできませんので、希望があれば取り扱いをしている企業に問い合わせて、どのような手続きが必要なのかを必ず確認しておきましょう。

 

ちなみに、遺骨を砕くこと、骨粉を加工してメモリアル的なものを作成することについて、法律では特に規制されていません。

 

遺骨の加工ができる企業は多くはありませんが、近くに対応できる企業がなくても宅配便で遺骨を送れば対応してもらえますから、遠方でも申し込みは可能です。

 

他にも遺骨を骨粉化して作る人工ダイアモンドなどもあり、「遺骨は墓に入れるもの」という昔からの慣習を離れて、ぬくもりを感じられる距離で弔う方向へと時代は少しずつ変化しているのかもしれませんね。

プレートには刻印ができる。故人に伝えたい想いを言葉にして刻む人も(画像提供:株式会社 エターナルジャパン)

ペット用の手元供養グッズも

ミニ骨つぼ、アクセサリーなど人と同じようにペット専用のグッズもある

犬や猫、ウサギなど、共に暮らした動物を見送った経験がある人はご存知かもしれませんが、ペット専用の遺骨用アクセサリーは既にポピュラーになっています。

 

多くは、遺骨や爪など、小さなかけらをロケットタイプのキーホルダーやペンダントなどに入れて持ち歩くことができるものや、ヒゲや毛などを包んで保管できる布の容れ物などです。

 

火葬ができるペット霊園には骨つぼと並べてグッズを紹介しているところがあり、その場で購入する人が多いようです。

 

価格帯は千円前後〜2、3万円と、デザインや素材によって幅があり、通信販売でも様々なデザインのペット専用グッズが紹介されています。

ペットの遺骨を加工して作るペンダントもあり、様々な提案がされている(画像提供:株式会社 エターナルジャパン)

ペットの遺骨をパウダー状に加工してもらえる企業もあります。

 

人間のメモリアルプレート と同じように板状にすることもできますし、ペンダントのように加工してもらえる企業もあり、ペットも大切な家族として、心を込めたお弔いができるようになりつつあるのですね。

 

ペットの寿命が延びた今、十年、二十年と長い時間を大切な家族として共に暮らすことが当たり前となり、一緒に暮らした時間が長いほど旅立たれた寂しさは強く残るもの。

 

愛するペットの一部をそばに置くことで別れの辛さがやわらぎ、心が慰められることでしょう。

大切なのは、故人を思う気持ち

代々の墓という供養の形は、明治期ごろより一般化されたものです。

 

しかし実家から遠く離れて暮らす人が多い現代では、動かすことができない家墓の承継に悩む人も増えています。

 

手元供養は伝統的な弔い方とは大きく異なるため、受け入れがたいと感じる人も多いかもしれませんが、慌ただしい現代人の暮らしの中で「弔いたくてもお墓が遠くて思うように弔えない」という悩みを抱える人にとって新しい救いの形と言えるのも確かです。

 

家族の関係や生き方が時代とともに変化する中で、弔い方も、それぞれの気持ちに寄り添うように変化するのは自然な流れでもあります。

 

大切なのは、故人を思う気持ちそのもの。

 

家族にあった弔い方を、新しい供養の形から選んでみるのも良い選択と言えるでしょう。

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