豊かなシニアライフのために、「更年期」の色々を知っておく。(人生100年時代協議会・AGE100PRESS)

更年期(メノポーズ)は、閉経を挟んだ前後10年間。45〜55歳を指します。その間に起こるさまざまな不調を更年期症状といい、イライラやホットフラッシュ、不眠、不安、めまい、頭痛など症状の数は200種類以上ともいわれています。更年期が過ぎると、これらの症状は落ち着いていきますが、実は更年期はこれで終わりではありません。閉経によって起こる変化を知り、更年期以降の自分の体としっかり向き合うことが、元気で豊かなシニアライフの実現につながっていきます。
2019/06/10

「更年期」は45〜55歳の約10年間

更年期(メノポーズ)は、閉経を挟んだ前後10年間。

 

現在、日本人の平均閉経年齢は50.5歳ですから、45〜55歳が更年期となります。

 

これは、どんな女性にも等しく訪れるライフサイクルにおける一つの時期。誰もこの時期を飛び越えることはできませんし、年齢による体の老化を完全に止めることはできません。

 

女性の体は、おもに卵巣から分泌されるエストロゲン(女性ホルモン)によって守られています。

 

女性ホルモンと聞くと、月経や妊娠といった生殖機能に関わるだけかと誤解されがちですが、それ以外にも、骨を丈夫にする、血管のしなやかさを維持する、内臓脂肪の蓄積を防ぐ、脳を活性化するなど、全身に大きな影響を与えています。

 

エストロゲンは、更年期より少し前から分泌量が低下して、更年期に入るとジェットコースターを下るように減少していきます。

 

そのため、いわゆる更年期症状と呼ばれるさまざまな不調が心身に起こってくるようになるのです。

更年期は、後半の人生のスタートです

2017年に発表された日本人の平均寿命は男女ともに過去最高を記録し、女性は87.26歳に伸びました。

 

ほんの5、60年前までは、男女ともに50〜60歳程度が寿命でしたから、多くの女性が閉経とともに生涯を終えていたということになります。

 

現代では平均寿命が伸び、女性たちは閉経を迎えたあと40年近い人生を歩むわけです。それは、成人式が2回行えるほどの長さ。

 

更年期は、老後のはじまりというよりは、人生のひとつ区切りであり、後半の人生のスタートなのです。

 

さらに、昔と違い50歳になっても現役バリバリで仕事をしている人も増えましたし、高齢出産などで更年期に入っても絶賛子育て中という方も増えました。

 

こういった女性の寿命やライフスタイルの変化によって、更年期の体調変化に直面する人が増えているのも、いま更年期が注目されている理由のひとつといえるでしょう。

56歳以降も、更年期の影響は受け続ける

更年期が過ぎた55歳以降は、ポスト更年期もしくは、アフター更年期と呼ばれます。

 

更年期症状自体は閉経を迎えて、時間とともに収まっていきます。

 

女性ホルモンの分泌が急激に減ることでのパニック症状が落ち着いたというのがイメージとしては近いかもしれません。

 

ですから、よく50歳後半から60歳代などの方から「私はもう更年期終わったらから」という言葉を聞きますが、じつは大きな勘違い。

 

更年期(閉経)の影響は、更年期以降も続いていきます。

 

とくに老化しやすいのが、寝たきりや認知症などにも影響を与える血管と骨。

 

このポスト更年期の体をどうケアしていくかが、生涯現役でいるためにとても大切なことなのです。

更年期を知れば、シニアライフが豊かになる!

更年期は、「更(あらた)める」という漢字を使います。更衣室、更新などにも用いられる漢字ですね。

 

更年期というと、なんだか「女性としての人生が終わった」、「おばさんのはじまり」など、嫌なイメージをもたれる方も多いかもしれません。

 

ですが、実際にそんなイメージがつくほど大きな変化が体のなかで起きているということは事実。

 

だからこそ、更年期症状という形で、私たちにメッセージを出してくれていると考えてみませんか?

更年期から先の人生。生活を更めて体を守る 

閉経前、いわゆる若い頃は多少食生活が乱れて食べ過ぎたりしても、太りにくいものです。

 

それは、女性ホルモンが、脂肪がたまるのを防ぎ、血管が詰まらないようにしてくれていたから。

 

運動不足でも女性ホルモンが骨密度をしっかりと保ってくれていました。

 

閉経すると、こういった恩恵が受けられなくなるので、ほおっておくとすぐに太りやすく、骨密度が落ちていくという状態になっていきます。

 

女性ホルモンを分泌する卵巣は人間の体に数ある臓器のなかで、唯一寿命のあるうちに役割をまっとうする器官だそうです。

 

その支えをなくしてからも、女性が健康な体を維持していくためには、いままで通りではちょっと足りないのです。

 

更年期は、「体を更める」時期。更年期症状は体と向き合ってくださいというサインのようなもの。

 

生活習慣を見直したり、今後高まる病気リスクに備えたりする時期にあてることのできる、貴重な時期なのです。

更年期症状や更年期後に不調を感じたら?

更年期以降は、女性ホルモンの急な減少による影響がさまざまな形であらわれます。

 

37歳から、ホルモンは減り始めるといわれていますので、それ以降に不眠やイライラ、ホットフラッシュ、頭痛といった不定愁訴を感じるようになったら、一度婦人科を受診し、女性ホルモンの数値を検査してみるとよいでしょう。

 

更年期の症状はさまざまなので、不調の原因が更年期とわからないまま、いろいろな病院、診療科をドクターショッピングし、大量の薬を飲むようになってしまったというケースが多いので、賢く更年期と向き合うためには、まずは自分の女性ホルモンがいまどんな状態なのかということと、しっかり向き合うことが大切です。

 

また、予防や長い目で更年期症状やポスト更年期に起こる骨や血管の老化を防ぐには、食事や運動など生活習慣の見直しが必須です。

 

何も難しいことにトライすることはなく、バランスのよい食事と適度な運動、睡眠をしっかりととること。

 

また、更年期症状には環境なども大きく影響を与えていますので、ストレスを溜めないように心がけることも大切です。

正しい知識をもって更年期を迎えましょう

更年期症状の種類や症状の程度は人それぞれ、千差万別です。

 

更年期症状が強く出て、仕事を休んだり、家事ができなくなったり生活に支障が出たという人もいれば、なんだか汗をかきやすくなったり、ちょっとだるい時期があったけど、そんなにひどくなかったと感じる人もいます。

 

一見、更年期症状が出ないほうがいいように思いますが、これも落とし穴。反応の出方こそ個人差はありますが、体のなかに起きている「女性ホルモンが急激に減り始める」という状態は、みんなが同じです。

 

もし、更年期症状もなくシニアを迎えていたら、体のなかで進む悪影響に気づかずに、これまで通りの生活で、血管の老化や骨の老化が進み、寝たきりや認知症といった病気のリスクを高めてしまっているかもしれません。

 

逆に、更年期の不調が出たほうが、それをきっかけに、自分の体のことを知り、生活を見直したことで、悪影響を極力抑えて、その後の人生のために健康を維持する前向きな取り組みができるようになるというメリットもあるわけです。

 

更年期は、これからの人生のために生き方や体、心など自分自身と向き合うチャンス。更年期とはどんなものなのか、更年期以降の体はどう変わっていくのか。

 

更年期症状はもちろん、更年期以降も続く、体の変化にしっかりと対策をとることで、病気を遠ざけ、豊かな心身でのシニアライフを楽しみましょう。